内容説明
阿南惟幾は、十三歳で広島地方幼年学校へ入学、士官学校、陸軍大学校を経て陸軍大将に至るまで、ただ一つの星の下を歩み続けた生粋の軍人であった。本書は、幼年学校以来の旧友を始め、その生涯のさまざまな機会に接した人々の追憶から、「徳義」と「至誠」に生きた阿南惟幾の人間性を描くとともに、ポツダム宣言受諾と同時に、国体の護持を念じつつ、全軍の責を一身に負うて自決した、陸軍大臣阿南惟幾の苦悩の姿と、劇的な終戦決定の実相とを追究したものである。
目次
序章 永遠の星
第1章 この星の下に
第2章 静かなる星
第3章 美しき星
第4章 明星
第5章 瞬く星
第6章 南十字星
第7章 草莽の星
第8章 最後の星
第9章 その朝の星は美しかった