目次
第1部 政府の失敗・国家の限界(人間の愚行の背景にはつねに時代の大変化がある;「賢い政府」は歴史を甘く見た思想;日本はリーダーの責任に甘すぎる;政府はあまりに大きくなりすぎた;全体主義の遺物から早く脱却した国が勝つ;国民すべての一生を保障できるほど国家は万能か)
第2部 幻想の経済戦争(経済は本当に対立の原因になるのか;雇用と土地がボーダーレス経済に報復する;アメリカは成熟するか;アメリカだけが寛大であり続けるのは不可能;経済戦争は戦争ではない)
第3部 日本の運命(八〇年代は余分な歴史だった;福祉国家はなぜ失敗したか;日本はまだ文明の大変化にまで直面していない;日本は目標を喪失した;この一三〇年間に起こったすべては疑ってもよい;通貨は国家の条件か)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TTK
1
これまでアメリカの一流の人材は、平和維持と大学という世界にとっての公共財のために働いていたのに、[アメリカも冷戦が終わったことで]そのかれらがこれからアメリカの産業のために働くようになったら、日本の産業はかなりきびしいかもしれない。p.1862024/09/15
denken
0
現在にも通ずる問題が,大変面白く述べられている。これらの問題を解決していないからこその,いつまでも執拗に現在なんでしょうけどね。この本を手に取った目的は,香西泰がどんな人なのかを知るためである。良心的な人だなあという感じがした。二人を比べると,高坂が攻撃的に見えてくる。2011/12/13