内容説明
世界の文学作品に描かれた子どもの病気を、小児外科医が読む。新しい文学案内。
目次
エイズ―『海辺の家族』『治療塔』
難聴―『神様は手話ができるの?』
再生不良性貧血(骨髄移植)―『チェルノブイリ』
先天性腸閉鎖症―『外科医』
小人症―『ハード・トレード』『オズの魔法使い』
鎖骨・頭蓋骨形成不全―『古い骨』『呪い!』
羊水診断―『死の味』
多指症―『カラマーゾフの兄弟』『羊たちの沈黙』
血友病―『失脚』『怪僧ラスプーチン』
結合双生児(臀結合体)―『悪霊島』
猩紅熱―『若草物語』『細雪』『シルバーレイクの岸辺で』
小児の神経症(発熱と歩行障害)―『ふたりのロッテ』
「不思議の国のアリス」症候群―『不思議の国のアリス』
極小未熟児―『小さくとも命の花は』
急性中耳炎―『細雪』
トムゼン病―『波』
ビタミンK欠乏症―『和解』
乳児突然死症候群―『彼岸過迄』『ゴッド・プロジェクト』
肺結核症―『ルーマニア日記』『病いの人間史』
異染性白質ジストロフィー―『ある神経学者の歩いた道』
新生児仮死―『ドクターズ』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うめ
20
20年以上前の本なので、古いところもあるのだけれど。専門家である著者(小児外科医)の目を通しても、病態や病気、時に治療法をリアルに描写し、かつ、文学的に書き上げた、この本に取り上げられている作品の数々に、敬意を払います。文字の、文章の力って、偉大だ。2016/01/14
アリス
8
卒論の文献で使用した。2023/12/13
Rieko Ito
2
タイトルの疾患について読みたくて図書館で借りたが、22の短いエッセーの一つで、他は関係なかったのが残念。文学作品に出てくる病気についの、医師である著者のエッセー集。30年前の本で、今となっては古い話もあるが、百年位前の小説に出てくる病気についての話は逆に古さは感じなかった。2023/05/05
saba
0
子供のころ夜中にふと目が覚めかけたとき、体が宙に持ち上げられるようなうねりに巻き込まれているような感覚を度々味わったことを思い出した。大人になってからはない。不思議。