感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スミス市松
4
まるで流れている音楽をそのまま銅版へそそぎこんだような作品の数々。音符を描けば旋律が流れ、映画のワンシーンを描けば映写機がカタカタとまわり出す。マラドーナが躍動し、ジョン・レノンが『イマジン』を歌い、カポーティはこちらへ鋭い眼光を向けてくる。絶え間ないシークエンスがそこにはある。個人的には『勝手にしやがれ』『アメリカの夜』『道』など映画関連の作品がよかった。数々のシーンが心に蘇りました。この人の絵はなんというか、「放蕩に耽るフランスの婦人」みたいのがよくにあいますね。巻末に和田誠との対談あり。2011/04/13