内容説明
ホールを埋めた満員の聴衆の前から、オーケストラのメンバー全員が消えた。黒い舞台衣裳に身をつつんだ特異な姿の彼らだ、人目につかないわけがない。なのに目撃者は皆無。やがて楽団事務局に巨大なコントラバスケースが届いた。中には礼儀ただしく正装したヴィオラ奏者の死体。感動のデビュー作『神宿る手』につづく音楽ミステリー第2弾。
感想・レビュー
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wm_09
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一応時代から見れば新本格の人なのか。本丸の消失の手段については伏線も大量に張っていて頑張っているのだけど、現れては消滅するサブプロットや登場人物の意味不明な行動が印象を悪くしている。それともこれは続巻で回収されるのか。(稲)2011/06/08
コマンドー者
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鮎川哲也氏推薦でデビューした著者のシリーズ2作目の音楽ミステリー。マイナーだが、今の深水黎一郎氏の作風の先駆けのような感じである。単体でも楽しめるが、前作を読んでいた方がより人物関係が把握できる。オーケストラ消失のトリックは単純だが、それをうまく音楽業界の裏側に落とし込んで描いている。2020/03/24