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内容説明
ラ・アルカリアは、マドリッドから50キロほどにあるグァダラハラを中心とする地方。川で結ばれ山が分かつ自然の野である。旅人はリュックを背負い、実際に足を使って歩く。朝歩き出し、午後村に入り、人々と酒を飲む。二泊つづけることはしない。―全篇に流れる抒情性、優しさ、あるいは哀しさが読者の心をとらえる文芸紀行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やまはるか
15
ワイン・毛布などの入ったリュックを背負い、徒歩で、時にはロバの引く車に便乗して村から村を訪ね歩く旅行記。荷車引き、宿の女将、行商人、乞食など旅で出会う人たちの描写が具体的でその場に居合わせたように伝わる。「レモノス爺は昔ながらの、誇りを失わず忍従する乞食だ。自分の役割を心得ていて、決して悩まず、決してあくせく働かず、決して人生に顔をそむけない乞食だ」一人一人に目を向ける。本文の記載はないが、村の命令で監禁され悪臭のする地下室でラバを盗んだジプシーと丸一日過ごし、間もなく疲れを覚えて旅を終わらせたらしい。2025/09/16
メルセ・ひすい
2
9-35 訳 ? ? 少々難あり・ ラ・アルカリアは、首都・マドリッドから50キロほどにあるグァダラハラを中心とする地方。なだらかな丘陵を都会の喧騒をはなれ、リュックを背負い、朝歩き出し、午後村に入り、人々とワインや地酒を酌み交わす。セピア色の旅情、脳裏をかすめる郷愁と流れる抒情、優しさ・素朴・木訥・あるいは哀しさが心をとらえる。2007/11/27