内容説明
出色の文章と奔放な発想による清新な文学の誕生。吉目木晴彦の「ルイジアナ杭打ち」と処女作「ジパング」(群像新人賞優秀作品)収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
22
☆☆★ 高橋源一郎を面白くなくしたような文体。小気味の良い文章で嫌いではないのだが、「物語」の焦点がしぼれず拡散してしまっている感じで(特に「ジパング」)、うまく効果が出ていないと思う。日野啓三が激賞しているのが良くわからない。ジパングの「白い光」が表すものは原爆?2019/02/17
ででちゃん
4
60年代のアメリカ、ディープサウスの様子が描かれていて興味深かった。 人種的葛藤が混沌としていた時代。 想像に過ぎないが、きっと、こんなふうだったのだろう。公民権運動も一筋縄ではいかないし、いまだにアメリカが抱える病理と 言ってもいいだろう。 あたかも、著者の父である大学教授が書いたような リアルな内容だと思う。 ”ジパング”はあまり読む気になれなかった。 2013/09/18
Sanchai
2
『ルイジアナ杭打ち』と『ジパング』という2つの作品が収録されているが、元々著者のバトンルージュ滞在時代の体験談を読みたくて借りたので、『ルイジアナ杭打ち』だけを読んだ。一般読者に広く受ける作品だとは思わないが、少なくとも著者の15年後ぐらいにバトンルージュに住んでいた僕にとっては、米国深南部の光景が頭の中に甦ってきて懐かしさを感じる作品だった。知っている場所も幾つか登場したし。2013/04/23
悸村成一
1
表題作と「ジパング」を収録。どうもあまり馴染めない作品。特に後者は所謂ポストモダン小説なのか、よく知らないが、読みにくいし実際退屈だった。表題作、米国の、民族に対する一般的見解は日本のごまかしより理解しやすい(小説の話ではない)。図書館本。2013/12/07
Talassa
0
表題作と、ジパング、どちらも面白く読むことができた。偏った不安定なイメージだけで作られたような物語の舞台や語りが、味を出しているなと感じた。