内容説明
1925年、ミュンヘン。映画監督として初の仕事を手がけていたアルフレッド・ヒッチコックの周辺で、製作チームの女性とピアノ弾きがたてつづけに殺された。事件は未解決のまま11年が過ぎ、1936年のロンドン。世界的名声を馳せるようになったヒッチコックのもとへ、旧知の脚本家から電話がかかる。「すぐ読んでほしいシナリオがあるので使いの者を送る」しかし、使いの男はヒッチコック家の玄関先で何者かに刺されて死ぬ。シナリオはからくもヒッチコックの手に渡るが、その内容は、なんとも奇妙なものだった。本当の殺人事件に巻きこまれたヒッチコック、追いつ追われつのアクション劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
paxomnibus
0
87年の本なのだが、恐ろしく古臭い。この手の人物風刺で滑稽さを狙った作品自体が書かれなくなったのだろう。40年弱の間に世の中が変わって、女性やLGBTの人々の地位も上がったし。第一次と第二次大戦の間でヒトラー勃興の頃の空気は出ていると思うのだが、さほどサスペンスには関わって来ない。ヒッチコック映画はテレビで放送されれば見るが、ヒッチ本人が好きなわけではないし、本書の主人公キャしても魅力が薄かったので特にドキドキする事もなかった。ヒッチの声を故熊倉一夫氏で、妻アルマの姿をヘレン・ミレンで想像しつつ何とか読了2020/05/03