内容説明
対米戦争遂行のために生まれた東大第二工学部は、戦後は一転して“戦犯学部”と呼ばれ、廃止の運命を辿らざるをえなかった。その“戦犯学部”の出身者たちが、全壊、半壊の工場に散って、技術の再興と新技術開発にチャレンジし、いまや日本技術軍団のリーダーとして、アメリカの企業と食うか食われるかの“サバイバル戦争”を戦っているのである。むろん、彼らに“リターン・マッチ”の意識があるわけではないだろう。しかし、結果論的ではあれ、彼らは後に技術先進国のアメリカと対決するようなマインドを、二工で育てられていたのである。それがまた、二工から人材を輩出した秘密でもあった。
目次
第1章 開花
第2章 企画
第3章 開学
第4章 戦中
第5章 終戦
第6章 戦後
第7章 閉学