内容説明
不退転の決意と柔軟な発想。名家老恩田木工は、みごとに部下の心をとらえ、破綻した信州松代藩の財政を、あざやかに再建した。…ビジネスマン必読の名著!
目次
『日暮硯』を読むまえに(信州松代藩の財政窮乏と恩田木工;著者馬場正方を松代の町に訪ねて;『徒然草』を模した『日暮硯』;苦しい財政と人心の荒廃;八郎五郎の財政改革の失敗と、足軽たちの反乱;悪政と一揆と木工の登場)
現代語訳(生れながらにして名君;恩田木工、召し出さる;まず家内、親類をまとめる;禄高の割引をやめるかわりに、節約を呼びかける;木工、施政方針を語る;村人、直訴状を差し出す;財政建直しの目途、立つ;悪徳役人、進んで不正をやめ、木工に従う;万事をゆるめて楽しみを勧める;子供まで、文武の諸芸に上達;「君、君たれば、臣、臣たり」;木工の家人が客人に親切な訳;博奕をやめさせた巧みな仁政とは)
現代に生きる『日暮硯』(木工の東洋的仁政思想;百姓を大切にした個性豊かな人格者;後代の藩政改革の手引書、『日暮硯』)