内容説明
あの頃は夜も昼もなかった。60年代のアメリカンスピリッツが濃縮されたポップ・アートを素材に、村上龍が描き上げた12編のミニアチュール。
目次
左腕だけは君のもの
Kの画廊
タキシードの老人
殺人者の忠告
ディスコ「セブンスターズ」
『ブラック、ホワイト、&イエロー』
銀行と乞食
退屈な浪費家
引っ越しする未亡人
「救世主」
「娼婦達」
表面以外は全部嘘
まばたきのアート
16号線のMU!!
1970年、ニューヨークの壁。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
galoisbaobab
6
初めての村上龍。この本から初めて正解だったかもしれない。彼の文体とアメリカが生んだポップアートの親和性が非常に高く、読書以上に楽しい。マイルスがフュージョンっぽかった頃のJAZZと一緒に聴くのがオススメ。2017/01/15
Isuke
2
BF。こんな本があるとは知らなかった。ひさしぶりの村上龍。世界観というかえもいわれぬ読後感。文字組みが読み辛い。ページを眺めているだけでも楽しめる。2019/10/04
ゐ
1
1986年。10枚の短編×12。どれも見事に村上龍。この短さが好き。デザイナーの遊びが邪魔。2025/05/02
どちゃくそ
1
まず文体が村上春樹っぽい。意識して書いたのかなってぐらい。そしておそらく全短編に性的な事が描かれている。これも村上春樹っぽい。 平易な文で洒落た固有名詞なんか出しながら、西洋を舞台にしてるあたりも村上春樹っぽい。 作者は村上龍だが、印刷ミスで本当は村上春樹なんじゃないかなって思うぐらいに村上春樹。 でも結局は読みやすいし、現実にあるアート作品とうまく絡めながらストーリーを紡ぐ手腕には唸った。2024/08/07
一郎二郎
1
ポップアートと、それを産んだアメリカ的な退廃について、理解できた気になりました。2022/12/01