感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
8
70年代から80年代にかけて、エチオピアを襲った飢餓に関する社会経済的分析本かと思ったら、この時代のエチオピアの様々な人々との出会いを通じて垣間見た、この国の社会のルポとも言うべき内容。共に政府の仕事をした同僚の公務員達から、娼婦、靴磨きに零落した農民まで様々な人が登場するが、民族間の階級意識、過酷な地方の農民の暮らしなど、なかなか外からは見えて来ない内部に迫っている。特に娼婦達の証言は生々しく、「革命前には娼婦にも仁義があったが、革命後は教育のある女子学生まで売春を始めて、無秩序になった」と2018/03/18