感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
韓信
2
馮夢竜が編んだ『智嚢』から、中国歴代の著名人や市井の人びとの知恵物語を抄訳する。馮夢竜にとっての現代史である明代の逸話が多く、『明史』が取り上げない人物のエピソードや、『靖乱録』未収の王陽明の事蹟が盛り込まれているあたり、稗史としての価値もあるようだ。陽明学左派らしいカウンター的嗜好、宦官による汚職に立ち向かう剛直な官僚への賞賛など、アウトロー文人馮夢竜の価値観が垣間見える点は面白いが、明代の宮中の機構や宦官の職掌など専門的な内容には解説が欲しかった。訳文もこなれてないかな。2014/11/25
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- 和書
- 藤岡イズム。