別れる理由 〈3〉

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別れる理由 〈3〉

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  • サイズ B6判/ページ数 477p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062001229
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やまはるか

13
本を開いて月日ばかりが過ぎ、作品の終わり近く「どこをどう読んでもよいので、あとから読んでも、逆に読んでも良い」とあり、ここらでケリをつけることにした。3巻の大半は何時となく始まった編集長や作家のパーティーで、本作の主人公である前田永造、藤枝静男・柄谷行人・大庭みな子と名乗る人物等等と作家自身が登場する。「でてこい、でてこいともうその夫人を呼ぶことはないだろうか。いよいよ呼ぶのであろうか。それとも、もうわざわざ呼ぶまでもなく以前よりは近くにいて、自由自在に夫のそばにも中にも住んでいる…」タイトルに近づいた?2023/07/31

フリウリ

6
12年の連載を、約3週間で読み終えました。永ちゃん(主人公)が馬になり、トロヤ戦争の発端(通常はメネラオス(夫)のもとからパリス(間男)に奪われたヘレン(妻)、だが、パリスに惹かれてメネラオスを捨てたヘレン、と読み替えられている)にこだわり、そのうち小島信夫と永ちゃんが同じパーティに出て、藤枝静男、柄谷行人、大庭みな子、森敦、編集長らと語るうちに、本書は終わりました。あとがきによると、小島信夫は一度も読み直していないとのこと。読み終えた人しかたどりつけない境地があります。スバらしき二十世紀文学。102024/11/23

Tonex

4
前巻でなぜか馬になった主人公がトロヤ戦争について延々(連載期間にして約2年も!)しゃべり続けている。と突然、作者が小説内に顔を出し、回想や文学論を語り出す。主人公から作者に電話がかかってきたり、知り合いの作家たちが実名で小説に登場したりして、よくわからない議論を繰り広げる。虚構が現実を巻き込んで壮大なメタ小説となり、最後は『月山』の作者と『別れる理由』の作者との会話の途中で唐突に小説が終わる。無軌道すぎる! この小説自体は失敗作にしか見えないが、このスタイルを一生をかけて磨き上げていった小島信夫はすごい。2015/03/28

COPPERFIELD

4
小説の中に実在の作家や批評家たち、柄谷行人、森敦、藤枝静男、大庭みな子らが実名で登場します。 そして、読者は主人公は小島信夫本人だと思って読んでいるのですが、小説の中に小島信夫本人が登場し、主人公と喧嘩を始めてしまいます。 最後は編集者とこの小説の終わらせ方について延々と議論し始め、読者は気が狂いそうになりながら果てのない語りに付き合うことになります。 なのに、なぜだか面白いから困るのです。

yoyogi kazuo

3
もはやこんなグダグダ小説の連載を続けさせている文芸誌への開き直りすらリアルタイムでは感じさせたに違いないが、こうして単行本の体裁にされたものを読むと、初めて読めば面白いのかもしれない、と思ったが、この小説の悪評も高評価も知ったうえで読めば、まあこんなもんか、という感想しか抱きようがないのが苦しい。2021/06/26

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