講談社文芸文庫<br> 相撲記

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講談社文芸文庫
相撲記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984998
  • NDC分類 788.1
  • Cコード C0195

内容説明

生家の筋向かいに、当時全盛を極めた「友綱部屋」があり、取的が出入りし、関取と並んでチャンコ鍋をつつくという幼少年期を過ごした著者は、戦後、横綱審議会委員となり、視力を失う最晩年まで務めるなど、文壇きっての相撲通。土俵、仕切、行司の変遷、双葉山始め名力士の技倆の分析等、厖大な知識と熱意で綴る。迫り来る戦火に、相撲という伝統美を死守するの心意気で書かれた異色の日本文化論。

著者等紹介

舟橋聖一[フナハシセイイチ]
1904.12.25‐1976.1.13.小説家、劇作家。1928年、東大国文科卒。大学在学中の26年、戯曲「白い腕」で注目され文壇に登場。32年から33年「都新聞」に連載した「白い蛇赤い蛇」で劇作家から小説家への転身をはたす。戦後は風俗小説の代表作家と目されるが、官能表現を唯美主義へと高めた純文学の佳作も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

63
古本イベントで入手。相撲の歴史から戦中の相撲の様子までがよくわかって、とても興味深かった。著者の相撲愛がひしひしと伝わってくるのが一番よかった。二丁投げなんて最近の取り組みでは見たことないけど、当時はわりとよく出ていた技のようだ。所作や様式も現代の大相撲と異なるところがある。そういう違いを探しながら愉しむのもまた一興だと思う。夏場所中に読み終えられてよかった。2017/05/25

のびすけ

23
筆者は幼い頃からの相撲に親しみ、横綱審議委員会の委員長も努めた。本書は、常陸山の晩年から双葉山全盛までの相撲界について、取り組みの様子や過去の力士との比較、相撲の歴史などを交えながら綴っている。「相撲力」の解説、双葉山の立派な仕切り、常陸山が得意とする泉川(撓め出し)、太刀山のペテン立ちなどが興味深かった。太刀山の土俵には色気がなく、双葉山の土俵には人間性が躍如としてたゆとうている、という比較も面白い。筆者の相撲の見識の深さが伺えたものの、全体的に淡々としていて、読み物としての面白味は少々欠けてたかな。2021/07/21

rokoroko

19
「戦争中お相撲やってたの?」と相撲見ながら夫が聞く。これを読むと粛々として興行してたよう。舟橋聖一氏というと私は雅な挿絵のある著書しか知らなかった。横網町で友綱部屋のそばで育った氏の相撲愛を感じる。私が若いころ大韓山という力士がいて(韓国人)徴兵で国に帰り復帰したけど成績上げられなかった人いた。そんな悲劇もあったのだろうか?著者は国の外に起きている重大事をよそに相撲のことだけ書いている。この時代に凄い!因みに私舟橋氏初読みだった。2020/01/27

石橋

2
当時の角界知識が相当ければ退屈な内容が多い。でもくだんの春秋事件については内情が詳しく書かれてあって興味深い。なにはともあれ相撲の古き良き風情が薫るいい作品である。2011/09/13

susie

1
舟橋聖一の文章は内容に関係なくなぜこんなに読点が多いのだろうかという素朴な疑問、というよりは違和感を乗り越えれば面白くて、これなども傑作と言っていいと思う。しかし第七章のその2-6までを「紙幅の関係上、割愛」するってどういう料簡なのだろうか。2012/02/19

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