内容説明
「犯罪」とは―。都市の空虚なビル、そのコンクリートの壁の上に、簡単な一本の線で描かれる「人間」の形である。少年による「理由なき殺人」の嚆矢、小松川女高生殺人事件。犯人の少年の獄中書簡に強く心を衝たれた著者は、動機の周りを低回する世間の言説に抗し、爆発的な自己表現を求めた内部の「私」の犯罪であるとする文学の言葉を屹立させた。他、永山則夫、金嬉老など、犯罪を論じた評論十七篇を精選。
目次
内部の人間の犯罪
殺人考
金嬉老の犯罪
現実は要求する、さらに深く問え
犯罪と文学
犯罪の形而上学
都市の犯罪
「犯罪」への意思
「犯罪」について
スキャンダルと犯罪の繁栄
生を螺旋形に変えよ!
自己発見としての犯行
永山則夫と私
永山則夫への懐疑
余談・閑談
『山の人生』へ一言
少年の理由なき殺人と文学
著者等紹介
秋山駿[アキヤマシュン]
1930・4・23~。文芸評論家。東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。1956年から報知新聞社文化部のち整理部に勤務。60年、「小林秀雄」で群像新人文学賞評論部門受賞。67年、中原中也や小松川事件を論じた第一評論集『内部の人間』を刊行。70年、報知新聞社退社。70年代より東京農工大他の大学で文学を講じながら現代人の孤独な生の営為を特異な視点から追求する批評活動を展開。90年、『人生の検証』で伊藤整文学賞を、96年『信長』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。98年、芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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