講談社文芸文庫<br> 金色の死―谷崎潤一郎大正期短篇集

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講談社文芸文庫
金色の死―谷崎潤一郎大正期短篇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061983984
  • Cコード C0193

出版社内容情報

潜在的な<妻殺し>を断罪

江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に影響を与えたとされる怪奇的幻想小説「金色の死」、私立探偵を名乗る見知らぬ男に突然呼びとめられ、妻の死の顚末を問われ、たたみ掛ける様にその死を糾弾する探偵と、追い込まれる主人公の恐怖の心理を絶妙に描いて、日本の探偵小説の濫觴といわれた「途上」、ほかに「人面疽」「小さな王国」「母を恋ふる記」「青い花」など谷崎の多彩な個性が発揮される大正期の作品群7篇。

清水良典
『小さな王国』のような政治小説も、探偵小説も、怪奇幻想小説も、足フェチ小説も、母恋い小説も、みんな谷崎文学という偉大な大樹の、大正期の枝に生った果実である。昭和に入って谷崎文学は急速に日本の伝統に近づき、大家として飛躍的な成長を遂げた。(中略)谷崎の大正期は、決して失われた時代ではない。むしろ作家谷崎が、全力を傾けて拡大と成長に努めた時代だったのであり、その土台が彼を「大谷崎」へと押し上げたのである。――<「解説」より>

谷崎 潤一郎[タニザキ ジュンイチロウ]
著・文・その他

清水 良典[シミズ ヨシノリ]
解説

内容説明

江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に影響を与えたとされる怪奇的幻想小説「金色の死」、私立探偵を名乗る見知らぬ男に突然呼びとめられ、妻の死の顛末を問われ、たたみ掛ける様にその死を糾弾する探偵と、追込まれる主人公の恐怖の心理を絶妙に描いて、日本の探偵小説の濫觴といわれた「途上」、ほかに「人面疽」「小さな王国」「母を恋ふる記」「青い花」など谷崎の多彩な個性が発揮される大正期の作品群七篇。

著者等紹介

谷崎潤一郎[タニザキジュンイチロウ]
1886・7・24~1965・7・30。小説家。東京日本橋の生まれ。東京府立一中、一高を経て1908年(明41)、東京帝大国文科に入学。小山内薫らと第二次「新思潮」創刊。「誕生」「刺青」等を発表。11年(明44)、自然主義文学に対抗した作風は永井荷風に激賞され、文壇に確固たる地位を築く、やがて佐藤春夫と絶交、関東大震災を経て関西に移住。42年(昭17)、『細雪』の執筆を始める。完成は戦後。49年(昭24)、文化勲章受章
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

122
谷崎潤一郎の初期の短編を収録。どの短編も非常に面白く、無我夢中で読んだ。文章の良さ、物語作りの巧さが光る。この時期は純文学の枠内に収まらずに、作家としていろいろな物語の形式を試していたことが分かる。「人面疽」はホラー、「小さな王国」は奇妙な味の短編、「途上」はミステリとして読める。「人面疽」が一番のお気に入りだった。美女の膝に憑りついた不気味な腫物をめぐる物語で、恐怖のボルテージがじわじわと上がっていく。虚構と現実との関係への問いかけが大家谷崎潤一郎らしい。2016/08/04

優希

77
谷崎の大正期に書かれた短編が7編おさめられています。どの短編も有名作の中に埋もれていたような輝きがありました。幻想小説、怪奇小説、フェティシズムといった要素があちこちに散りばめられています。どの作品も秀逸で、引き出しの多さには驚かされました。流れるような美しい文章に導かれるまま読んでいくと物語それぞれの表現に心地よく浸ることができます。手や足といった体の書き方が巧みでうっとりしました。このような作品こそ隠れた「名作」であり、谷崎を谷崎たらしめているのでしょう。2015/05/07

HANA

69
文豪の大正期に書かれた作品を収録した一冊。著者自身の評価は低めなようだが、怪奇小説や探偵小説を愛する者なら避けては通れない作品があるし、著者の作品に通底する主題がダイレクトに表れたものはあるしで、著者を読むなら避けては通れない本だと思う。表題作こそ芸術の悉くが西洋の作品、それもフェイクというので薄い舶来信仰が透けて読むのが辛いが、その他の作品は全て当たり。大正に勃興した映画を扱った都市伝説めいた「人面疽」やプロバビリティーの犯罪を描いた第一作「途上」等、後世に残る作品が書かれたのもこの時期なんだなあ。2024/01/06

優希

51
谷崎の大将時代に書かれた短編集になります。どの短編も有名作品に埋もれつつも輝いていたと思いました。幻想小説、怪奇小説、フェティシズムといった要素があちこちに散りばめられているのが美しい。流れるような文章に引き込まれ、物語に心地良く浸ることができました。2021/06/20

Gotoran

47
谷崎の大正期の7篇の作品。表題作『金色の死』:江戸川乱歩の『パノラマ島奇譚』に影響を与えたと云う怪奇的幻想小説。「人面疽」:映画を観ることから生まれる異次元感覚と恐怖を描いた怪奇幻想小説。「小さな王国」:社会主義云々より追い詰められた主人公の理念と理性の崩壊がシニカルに描かれた政治小説。「途上」:私立探偵を名乗る見知らぬ男に突然呼び止められ、妻の死の顛末を問われ、畳みかける様にその死を糾弾する探偵と追い込まれる主人公の恐怖が心理的に描かれた探偵恐怖小説。他に、母恋い小説、足フェチ小説など。興味深かった。 2022/09/05

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