内容説明
『死霊』自序に始まり、第一部文学の原質、第二部批評の本質とその機能、第三部存在への接近、後書に『不合理ゆえに吾信ず』「遠くからの返事」で構成される第三巻。深遠な意識を表出する文学理論の根源が語られ、『死霊』に到る著者の表現世界が示唆的、啓示的に実証される。時代を超えて聳立する孤高を持した思想者埴谷雄高の評論選書全三巻完結。
目次
序文 『死霊』自序
第1部 文学の原質(あらゆる発想は明晰であるということについて;観念の自己増殖;還元的リアリズム ほか)
第2部 批評の本質とその機能(迷路のなかの継走者;決定的な転換期;価値転換への試み ほか)
第3部 存在への接近(存在と非在とのっぺらぼう;夢について;可能性の作家 ほか)
後書 『不合理ゆえに吾信ず』「遠くからの返事」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
63
うーん、わからない。理解ができない。「死霊」もそうだけど、感性が特殊というか、何か超越しているので、わからない。テストの課題に設定されているので、大くくりにして何とか理解できるようにしておかないといけない。2017/05/23
石ころ
0
わかるような、わからないような2015/03/27
たんかともま
0
つまり、の部分だけ読むと全く意味がわからない。かなり抽象的、というより本人しかわかり得ない感覚や思想を説明しているためだろう。何と何が結び付いて、つまり、になったのかを線を引きつつ読まなければ要領は掴みにくい。最大のヒントになるのは題名で、観念の自己増殖などは本文より題名のほうがわかりやすい。小説を思考、精神の入れ物、実験場のように扱う彼の文学観はドストエフスキイなどを手本にしつつ『死霊』を書くに至る。あの作品を書く人間は文学をどう捉えているのか知るには避けては通れない書。また、夢についての考察も面白い。2019/02/16