内容説明
フルトヴェングラーが音楽することによって招来した「心の共同体」を現代によみがえらせることはいかにして可能か。フルトヴェングラー著作の翻訳者として知られる著者が、巨匠の精神と交流し生まれた珠玉の論説集。
目次
1 論文・論説・エッセイ(フルトヴェングラーの言葉;救済としての芸術―フルトヴェングラーの芸術理念をめぐって;フルトヴェングラーの立場;「すべて偉大なるものは単純である」―晩年のフルトヴェングラーとベートーヴェン;音楽に真向かうということ;ベートーヴェン、フルトヴェングラー、そしてトーマス・マン―ドイツ的内面性をめぐって)
2 講演(フルトヴェングラーの芸術の根底にあるもの―音楽と静寂そのほか;フルトヴェングラー歿後五十年に憶う)
3 翻訳書のあとがき(ダニエル・ギリス編『フルトヴェングラー頌』;フランク・ティース編『フルトヴェングラーの手紙』;エリーザベト・フルトヴェングラー『回想のフルトヴェングラー』)
4 書評(芸術による知の時代の救済―W.フルトヴェングラー『フルトヴェングラーの手記』;喧騒の中の大指揮者―B・W・ヴェスリンク『フルトヴェングラー』)
著者等紹介
仙北谷晃一[センボクヤコウイチ]
1933年秋田県能代市生まれ。県立秋田南高校から東京大学へ進み、1956年東京大学教養学部教養学科卒。1959年東京大学大学院修士課程修了、比較文学比較文化専攻。清泉女子大文学部、中央大商学部、武蔵大人文学部などで教鞭をとる。武蔵大学名誉教授。2007年12月14日、永眠。享年74歳
野口剛夫[ノグチタケオ]
1964年東京生まれ。中央大学大学院(哲学)、桐朋学園大学研究科(音楽学)を修了。現在東京フルトヴェングラー研究会代表。2014年『新潮45』掲載の論説、「“全聾の天才作曲家”佐村河内守は本物か」により第20回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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