内容説明
存在の本質を根源的に追究した埴谷雄高の思想世界。周到、緻密、重厚、凝縮された精神世界が鮮明に提示される。終焉を拒む未完の長篇『死霊』に限りなく接近し続ける深遠な思考。「『標的者』序詞」「目的は手段を浄化しうるか」「透視の文学」「政治の周辺」「夜の思想」「闇のなかの思想」「ニヒリズムとデカダンス」「自由とは何か」「夢と人生」「宇宙のなかの人間」等を収める評論選書第二巻。
目次
序 「標的者」序詞
第1部 発想と思想の核(平和投票;即席演説;目的は手段を浄化しうるか ほか)
第2部 白昼と闇の境(透視の文学;知識人と共産主義;歴史のかたちについて ほか)
第3部 思想の遠心運動(ニヒリズムとデカダンス;ニヒリズムの変容;悲劇の肖像画 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かがみん
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埴谷雄高の思想は、いわば深淵である。名付けようの無い闇を、思想と便宜上称しているにすぎない。2013/10/29
廻
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暗殺や暴力、絶望についての思想が印象に残った2012/12/27
馬の背
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「放蕩娘の縞々ストッキング」という井嶋ナギさんのブログhttp://blog.nagii.org/?eid=1284352でオススメされていて、面白そうだったので読んだ。物凄く面白い!読む前と後では自分の中の何かが確実に変わる、そんな種類の本。2009/10/13
たんかともま
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埴谷雄高の曖昧と極端という姿勢がわかる一冊。曖昧は断定を嫌い「俺は…」で止まってしまう。極端はひとつのことを髄まで突き進む。この矛盾のような二つを内包したものが埴谷雄高の思想だと感じた。2018/10/14