出版社内容情報
男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子(よしこ)。20年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う(たゆたう)國子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。
濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
槿
著者から読者へ
年譜
古井 由吉[フルイ ヨシキチ]
著・文・その他
松浦 寿輝[マツウラ ヒサキ]
解説
内容説明
男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子。二十年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う国子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
著者等紹介
古井由吉[フルイヨシキチ]
1937年(昭和12年)11月19日に生まれる。1960年(昭和35年)3月、東京大学文学部ドイツ文学科を卒業。1962年(昭和37年)3月、大学院修士課程を修了。1971年(昭和46年)1月「杳子」により第六四回芥川賞を受賞。1980年(昭和55年)5月『栖』により第一二回日本文学大賞を受賞。1983年(昭和58年)9月『槿』で第一九回谷崎潤一郎賞を受賞。1987年(昭和62年)4月「中山坂」で第一四回川端康成文学賞受賞。1990年(平成2年)2月、第四一回読売文学賞小説賞(平成元年度)を『仮往生伝試文』によって受賞。1997年(平成9年)1月『白髪の唄』により第三七回毎日芸術賞受賞
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