内容説明
史実にもとづく伝説“鉄仮面”を題材にした作品のうちボアゴベ原作の本書は、黒岩涙香翻案の原典となった。数々の策謀と冒険の果てに、三十年の歳月を経てもなお罠に堕ちた恋人モリスを捜すヴァンダと腹心の部下たち。バスチーユの牢獄に囚われた鉄仮面の運命は?仮面の下の人物は?いよいよ核心に迫る愛と陰謀渦巻く波瀾万丈の歴史冒険大ロマン、上下二巻完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
12
面白かった。フランスはルイ14世の時代、仮面をかぶせられ厳重に監禁されたていた謎の囚人の真相。デュマの鉄仮面とはこれまた違う読み応えでかなりの面白さ。国王への謀反が失敗したことで二人の女が愛する男を失い、もしや仮面の囚人こそ愛する人では?と正体を探る奮闘が始まる。30年以上も身をやつして追い求めたヴァンダと、思い立ったら大胆に行動するソワソン夫人。やっと正体が明らかになりそうなラスト数ページに息を詰め、どちらの求める相手なのか、それとも・・と、ええ!?はあ!?ああ・・と入っていた力は抜けつつもこみ上げる。2012/08/23
若黎
6
うーむ、うーむ、最後はこれかあ。。、という終わり方でした。20年積読してあったっぽいけど。。。再読はないかな。2024/10/22
桐ヶ谷忍
6
バスチーユ監獄から転々と監獄を変えるが、依然囚人の正体は不明。ヴァンダは監獄の洗濯女に身をやつすが囚人と連絡さえとれない。歳月は流れ囚人は再びバスチーユに移送される。ヴァンダは敵の懐に入り、囚人との面会をかなえて貰う。ただしそれは囚人が死んだ後のこと…。囚人の正体は愛するモリスか、裏切り者の従者か…。30年の月日が流れ、ヴァンダは囚人の死後の面会がかなう。フランスに伝わる鉄仮面を小説化したが鉄仮面の正体は諸説ある。この小説はヴァンダとソワソン伯爵夫人の闘いを描き、ひとりの男を愛し抜いた女の物語でもある。2020/08/04