内容説明
ポーランドの第三次分割によりロシアの支配下におかれたリトワニアの若い貴族パン・タデウシュは、切り離された祖国リトワニアのポーランド復帰を夢みて、ナポレオンのモスクワ遠征に期待を寄せる。「国民的古典」とされるアダム・ミツキエヴィチのこの長篇叙事詩は、ポーランド・ロマン主義の最高傑作として世界的に評価が確立している。本邦初訳。
目次
農園
城
嬉しがらせ
煽動と狩猟
大立ち回り
郷村
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
11
ミツキエヴィチの長編叙事詩。細かい年代設定や登場人物の年齢には史実との齟齬もあるようだが、ナポレオン戦争の頃のポーランド・リトアニアのシュラフタ階級の人々の暮らしが鮮やかに描かれている。表向きはベルナルド会の修道僧・ローバクの正体が気になる。2016/10/28
刳森伸一
2
ロシア帝国下のポーランド=リトアニアを舞台に、シュラフタ(小貴族)の人々の生 活を追いつつ、恋愛や一族間の遺産を巡る争い、人々のプライドの衝突などが多層的に描かれている。そして、その背後に政治的な策動の影がちらつく。ゆったりとした田園詩的雰囲気の中で始まるが、それでは終わらない嵐の予感を覚えつつ、下巻へ。2019/11/05
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