内容説明
京都五条坂の陶芸家の長男として、1918年に生まれ、自己内部の純粋な感情表出としての作品を求めた末に、非実用のオブジェ焼きに到達した造形作家の八木一夫。「ザムザ氏の散歩」等の実用を排した多くの傑作を残した戦後陶芸界の推進者が京都での幼少、青年期を語り、精神の拠り所を示して、独自の芸術を凛然と宣言する。天才的個性の内奥を知る凝縮された文章。
目次
原始への随想―無名性の切実感
風月の世界について―技術の場から
ピカソと私
ダリ患者
ミロ画伯と歩く
忘れ得ぬ人・沼田一雅先生
富本さんのこと
石黒宗麿さんのこと
心に残る後ろ姿―巨星・平櫛田中
十二歳のころ
紺がすり〔ほか〕