内容説明
旧約聖書外典は、ユダヤ教団によって異端的な書として廃棄され、主としてキリスト教会を経て今日まで伝えられてきた。上巻には、第二神殿建設から新約の時代までのパレスチナの歴史を述べ、信仰の書としても深い感銘を与える「第一マカベア書」、しばしば西洋絵画のテーマとして取り上げられてきた「ユデト書」の他、「トビト書」「三人の近衛兵」「ベン・シラ(集会書)」を収録。
目次
第一マカベア書
ユデト書(抄)
トビト書
三人の近衛兵
ベン・シラ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
38
再読です。旧約聖書外典はユダヤ教にとっては異端の書とされているようです。カトリックでは正典になっていますが。プロテスタントでも正典とされていない文書なので、外典は新鮮で興味深い文書です。下巻も読みます。2023/09/26
優希
38
プロテスタントでは読まれることのない文書なだけに興味深く読みました。ユダヤ教でも異端と見られていたのが意外でした。下巻も読みます。2021/11/18
マウリツィウス
15
【偽典宇宙論】新約聖書次元を逆転させる「偽典」を「事実」と定義する手段、新約聖書が古代ユダヤ教の偽書であり、それゆえ我らの跳梁跋扈を黙認すべき、この前提論を動力源に増長してきた「異端」、否定文書性質を免れるも事実において使用された「逆反駁」、異端を無に帰す源泉を更に先読みした異端は旧約期、その楽園に住む存在が生命の木を邪悪に変える。張巡らされた枝と分厚い障壁、これを打破る十分根拠、「新約正典」と「マルキオン聖書否定」、新約聖書異端を切り刻んだ永久の権利と矛とは原初に存在する。古代と神話を無力とした新時代。2013/06/01
モリータ
11
絵画ではおなじみのユディトとホロフェルネスやトビト(トビアス)とラファエルの話が読めてよかった。世界史の解説書にもちらっと載っていた第一マカベア書は、復讐と殺戮をものともしないユダヤの反セレウコス朝シリアとの独立戦争史。2015/04/01
刳森伸一
6
外典とはいえ聖典に対して言うのも失礼かもしれないけど、面白い。いや、人を惹き付ける力があるというべきかな。マカバイ戦争の歴史書ともいうべき「第1マカベア書」、絵画などでも取り上げられる有名なユダヤ人女性ユデト(ユディト)のエピソードを描いた「ユデト書」などバラエティにも富んでいる。2016/01/22
-
- 和書
- キャリア・シフト