内容説明
明治大正昭和の文学的追想、殊に大正から昭和の時代風俗、文壇の裏面史をぎっしりと埋め込み、芥川龍之介をはじめ同時代の作家の風貌をいきいきと捉えた自伝的文壇回想録。正篇を上下二巻に編集、上巻には大正四年終生の友人・宇野浩二との親交を深めた三保松原の旅行、父柳浪が病気療養のため東京から知多半島師崎に転ずる前後までを収録。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞。
目次
私は牛込矢来町で生れた
泉鏡花と雨蛙
紅葉の白足袋、鏡花の畳つきの下駄
物心地のつく頃
母の想い出
最初の自己嫌悪
村山家の茶の間
犬の世界
中村吉蔵
永井荷風〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月
10
★★★★★(1963年野間文学賞作品。「同時代の作家たち(岩波文庫)」もそうだったが、広津和郎の随筆(回想記)は面白い。又、読み進める手も何処か楽しい。内容も興味深いものがあるが、文体表現が上手で文章がすんなりと胸の中へ入り込んでくる。どう表現したらいいのか分からないが、こういう巡り会いは嬉しい。「年月のあしおと」は、広津の幼い頃から後年までの自伝的文壇回想記ではあるが、これはこれで一つの小説のような仕上り具合とも言えるのではないだろうか。登場人物たちへの広津の目を通した表現力(筆質)が魅力的でもある。)2013/05/31
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