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内容説明
動乱の中世に終止符を打ち、新世紀を開いた豊臣秀吉の生涯を描く、規模雄大な出世物語が本書である。民衆の上にあるのではなく、民衆の中に伍してゆく英雄として、秀吉は古来、誰からも愛されてきた。―奔放な少年時代を過した日吉が、世間を見る眼も肥え、生涯の主君として選んだのが、うつけで知られる織田信長であった。随身を機に名も木下藤吉郎と改め、着実に出世街道を歩んでいく。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
93
【月イチ吉川英治】今年は太閤記。良く知られた秀吉ではあるが、再度じっくり読んでみようと思い立った。義父と折り合いが悪く、「侍にはなってくれるな」との母の願いに背いて、侍奉公のアテを求め流離った日吉は、ついに念願叶って信長の家人となった。そこからトントン拍子に出世し、名前も木下藤吉郎と改め厩方になるまで。あっという間に出世すると疎まれ、嫉みの対象となる。でもどこか憎めない猿のような男。あまり好きな歴史上の人物ではないが、この後の成り上がり人生、楽しみでもある。2020/01/01
優希
75
動乱期から新世紀を開いた豊臣秀吉の物語の始まりです。少年時代から信長に従うまでが描かれていました。奔放な少年がうつけと言われる信長を主君に選んだことで、これからの出世街道が開けていくのですね。続きも読みます。2019/01/19
ともくん
57
日吉(後の豊臣秀吉)、7歳の頃から物語は始まる。 子供ながら、誰にも媚びない姿勢に好感が持てる。 偉くなる。 天下を取る。 それも、全て母や姉のためであった。 主に選ばれるのではなく、自ら主を選ぶ。 放浪の旅の末、織田信長との運命の出会い。 信長に選ばれ、信長を選んだ日吉。 これからの成長物語に胸が高鳴る。2019/02/07
ケロリーヌ@ベルばら同盟
42
衆愚凡俗を愛し、民衆に伍した英雄、豊臣秀吉の生涯を、凡百と同じ血肉を備えた一日本人として描く大河小説。第一巻は、その生い立ちから、信長に仕え、才を開花させてゆく若き時代。戦で身体を損なった足軽の子として生まれ、その特異な容貌と貧弱な体躯から『猿』と嘲られ、職を転々としながらも、精いっぱいに眼を見開き、感じ考え、乱世の中での自分の生き方を模索する日吉。苦境にあっても失わぬ朗らかさが、その人気の所以なのだろう。遍歴の末、信長に出会い、出世双六の様に、身分がどんどんと引き上げられるさまは、いつ読んでも痛快。2020/06/05
さら
26
図書館の新着棚にあったのをつい手に取ってしまいました。吉川さんは『三国志』しか読んでいませんが、読ませるのが上手な作家さんですね。まだまだ序盤なのに、引き込まれて読んでしまいました。信長に仕えてからの秀吉しか知らなかったので、奉公先で頭がまわりすぎるため妬まれたり、疎まれたりして暇を出されたり不遇の時があって、それが秀吉を大きくする礎になったのかなぁと、興味深く読みました。これからどんどん出世する秀吉が楽しみです。2015/01/10