出版社内容情報
【内容紹介】
祖父広津柳浪、父和郎、そして桃子。1人きりの兄が病没し、嫁がず、孕まず、“家”が消滅する宿命を担う湘南での日々。名作『一期一会』を残し、孤独な老齢を靭く生きる網野菊へのひとかたならぬ親愛と深い交響の中で生まれる静謐な感動。文学者3代の末、広津桃子の女流文学賞受賞の名品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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人は愛した彼氏彼女にでも、こんなにもその人のことを覚えているのだろうか。愛を越えた何かで、作者広津桃子は網野菊さんを綴る。2015/09/01
無意味への献身
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あまりにも好きで思い入れの深い本なので、上手く感想を言うことができない。 網野さんも桃子さんも、お互いの負った人生の重みをそのままに歩いていく人だったんだろう。それがこんなにも美しく、深い感動を呼ぶのはどうしてなのか。何度読み返しても、この本が自分にとって持つ意味を言葉で言い表すことができそうにない。
