内容説明
昭和、戦前・戦中の強権の下での苦闘の生活の中に生まれた、「鬼子母神そばの家の人」「山猫その他」「遺伝」「残りの年齢」、戦後の自由の光の中で書かれた「木の名、鳥の名」「平泉金色堂中尊寺」「今日ただいまのところ」「遠野暼見」。阿佐ケ谷文士たち、碩学・吉川幸次郎らが絶讃しやまない中野重治の強靱な精神と清新な詩心が生んだ随筆世界。
目次
酒屋にいて書く
海
鬼子母神そばの家の人
禁酒記
私信
山猫その他
嘘とまこと半々に
昔の大学校
一友人のこと
子供と花
中学校の思い出
随筆厭悪
ずり
遺伝
汽車二題 (ほか)