内容説明
四季おりおりの自然、自己とその周囲、今と昔、生の哀しみ、日常生活の襞。生粋の都会人の冷徹な目と繊細な詩人の感性横溢する、簡潔化されたエッセイの世界。「鴉」、「天気予報」「桃の節句」「夜涼身辺」「歯のこと」「小唄」「酒について」「水のあと」ほか、短篇の名手永井龍男が多彩な題材で軽妙に描いた八十二篇の名文。
目次
十月の時計
鴉
切るたのしみ
古錦
筆無精
天気予報
冷たい手
金銭のこと
芥川・直木賞の歳月
相撲のマス
ほんとの話
無理の極限
正月の酒
桃の節句
電車の中
男の眼で荒された美
番茶の後
道徳教育
五家争鳴
彼岸花のこと〔ほか〕