内容説明
“身体ごと芸術家なるべし”洋の東西の絵画・美術の枠を超え、芸術の常識に立ち向かい、真の“感動”を追求する著者が、好きな書画、友人の思い出、自己の写生道、独学の精神を説く画文一致の豊潤な世界。88歳の“祝い”に、最新エッセイ25篇と本多秋五との対談、絵画・書・篆刻等の図版を加え、中川一政が刻する、気魄漲る芸術境の一冊。
目次
私は木偶である(九方皐;花鳥画と静物画;弔辞;扁額三つ;物初大観;書を書くこと;近世墨跡十選;立体生活;写生道;短歌)
花下忘帰(飼われる;美食について;書をまず裸にせよ;書も写生なり;折にふれて;はじめての人生;画竹題記;長与さんの画;私の版画;私の好きな一枚の絵;パリの月;この画集は;短歌のこと)
対談(中川一致・本多秋五)
感想・レビュー
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うちこ
4
美術館で、なんかちょっとした言葉も響く・・・と思っていたら、貧しい少年時代に短歌で賞金を稼いでいたと! 謎が解けました。 作家との交流も多く、武者小路実篤や若山牧水、斎藤茂吉となど教科書の中の人が登場。長生きをした人なんだなと思って読んでいたら、20代の頃に芥川龍之介と一緒に過ごした晩の話があり、一歳しか違わないのにすごく物知りな人だったと語られています。 志賀直哉、有島武郎、有島生馬ときて、末っ子の里見弴さまも。整体の野口晴哉先生まで! ついミーハーな気持ちで読んでしまう本でした。おもしろーい。2023/11/10