内容説明
「人間は互に不可解の孤立に過ぎない」―。矯激な個人主義に徹した“近代人”永井荷風。文献の博渉、尖鋭な地誌的考察を踏まえた斬新な手法。“磯田美学”をみずから乗り越えた著者の最高の達成。第1回サントリー学芸賞受賞の名著。
目次
第1章 父と子と
第2章 もう一つの西洋
第3章 隅田川考
第4章 冷笑の構造
第5章 『腕くらべ』の新橋
第6章 駒代とはだれか
第7章 偏奇館の雨
第8章 銀座復興
第9章 〓東の秋
第10章 偏奇館炎上
第11章 ああ戦後…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwasabi47
2
評伝なんだがあまり読めず。色々トリビアが入っていてそこが面白い。彼の江戸への郷愁がイマイチ呑み込めない。彼が江戸っ子でないからか。同時期連載していた『思想としての東京』のほうが好きかな。2019/10/30
iwasabi47
1
日乗文庫化前に再読。主に作品論。『腕くらべ』の話が多い。以前荷風の事余り知らず読んだ時は、荷風嫌なヤツだなと感じた。しかし、他の本を色々読んでから再読してみるとそれは磯田さんの「個人主義」に引っ張られ過ぎたかなと。孤独で律儀だけでなく「愛嬌」もないと慕われないよな。2024/05/27
AR読書記録
1
ここでは、荷風の「矯激な“個人主義”」は、「言葉の最高の意味での“近代性”を備えたもの」であり、またそれを世間友人との絶交をも辞せず貫き通した生きざまは「倫理的な生涯」、「日本で最初の“近代人”」として、共感をもって肯定されている、と読める。私もまたそこに個人の資質としても共感するところが大であるため、磯田光一、また永井荷風をより追求していきたいと思った。しかし、どうも私の読書は実作よりも評論から入ってしまうことが多くて、いかんな... 2014/09/26
mfmf
0
実家に転がっていたので読んだ。永井荷風って凄くひねくれてるだけなんじゃないかっていう印象が残った。永井荷風の本はまだ読んだことがなくて、入門書になるかと思ったけど、かなり突っ込んだ話ばかりで逆に読んでないと着いていけなかったな。2018/06/15
-
- 電子書籍
- 伯爵家を守るためにとりあえず婚約しまし…
-
- 電子書籍
- 偽りの妻【タテヨミ】第1話 picco…