内容説明
厭人癖が嵩じて土蔵の中に籠って生活している男の前に、友人が女優になった幼馴染を伴って現われた。たちまち初恋が再燃した男に女優は冷たい。執拗に追い求めた挙句、殺害して自分の土蔵に運び入れ、狂気の愛に酔い痴れるも束の間、恐しいことに…(「虫」)。「押し絵と旅する男」「芋虫」等傑作短篇4篇収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピッポ
29
四作品を収録した短編集。いずれの作品も傑作ぞろい。乱歩の本格物が好きな私には「何者」が好みの作品なのだが、他の三作品がかなり強烈。幻想的な「押絵と旅する男」、人間の心の闇、狂気を強烈なインパクトで描いた「芋虫」「虫」。いずれも一度読んだら忘れられない。2016/04/29
井川浩
26
芋虫、押し絵と旅する男、虫、何者の4編。いずれも乱歩の代表作と言えるものだが、今回改めて「何者」の推理小説っぽさがすごく良かった。乱歩と言うと少しおどろおどろしいイメージがあるが、普通の謎解きものを感じさせてくれた。SF的な感じを受ける「押し絵と旅する男」もなかなか良い。ビブリア古書堂の事件手帖でも出てくるエピソードも巻末解説に出てくる。2022/12/04
naokipaul
4
ステンドグラスの煌々とした灯で、部屋を暗くして読む乱歩は最高だなぁ。あと、乱歩の小説を読むと昭和初期の作品なので、コトバの勉強になる。2016/08/20
moco
2
「虫」のみ。青空文庫にて。思考や行動はひどいものだが描写は鮮やかで美しい。作品全体を通していろいろなものが対比的に描かれている。90年以上前の作品だが読みやすく、すらすら読める。2021/08/09
お〜
2
覗き見するとこが🙋🏻♀️2020/11/16