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- > 講談社 山岡荘八文庫
内容説明
暗号電はついに打たれた。「ニイタカヤマノボレ」―昭和16年12月8日、日本帝国海軍航空戦隊は、アメリカの太平洋艦隊基地ハワイ真珠湾急襲に成功。南太平洋方面にも、陸海軍がいっせいに進撃を開始した。マレー、フィリピン、ジャワ―連日大勝利を報ずる大本営発表に、国民は狂喜した。太平洋戦争全史を描く大河小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
32
真珠湾の米艦隊壊滅の間髪を入れず、英領マレー半島、米領フィリピン、蘭領インドシナと破竹の勢いで進撃する日本軍。この快勝がもたらしたものが、さらなる日本の不幸を招き寄せたと、後世の人間は知っているし、知らなければ本書でよく説明されている。現地、現物、現実を理解せず、中央の都合だけで万事決する、のちの大本営たる陸軍参謀本部と、現実と乖離した物量と指示命令で奮戦する、前線将兵。その精神と勇気と愛情には涙を禁じ得ない。敵の侮りと怯懦があったとしても、日本兵の知恵と勇気と、血の結晶は、広大な地域を占領するに至る。2023/06/15
イプシロン
20
マレー、フィリピン、インドシナ攻略作戦が語られてゆく。山下、本間、今村という陸の3将軍を軸に、皇軍のあるべき姿を筆者は問うてゆく。天皇を崇拝した一兵卒にこそ皇軍精神は宿っていたが、明治期に比べれば衰退していたという。戦争は人間が行う。その一点でもって戦様を見ていくと、その国の人々の思想が垣間見えてくる。「和魂洋才――」それが日本人の人間像であるべきだと筆者はいう。ジャワ軍政、つまり今村の思想こそが最も皇軍的であり、和魂洋才に近似していたが、国民の困窮と東条による独裁化が正義の火さえ消していったのが悲しい。2015/10/03
Takashi Takeuchi
12
真珠湾攻撃からマレー、フィリピン、蘭印と続く緒戦の勝利を描く2巻。圧倒的に兵数、装備に劣る 状況で勝ち続ける、そこには日本兵の命を賭した勇猛な戦いぶりがあった。その戦いぶりと勝利の中にもこの先の敗戦へ繋がる種が見えて、辛くなる。緒戦の勝利を利用して早期和睦という希みの芽も掴めず。 それぞれの戦線を指揮した三人の司令官の個性の対比が興味深かった。2020/06/21
タッキー
10
開戦後、序盤は東南アジアで快進撃を続ける日本軍。その目的が、資源にあったことに恥ずかしながら、この小説を読んで初めて知りました。マレー半島、フィリピン、インドネシアと、次々と攻略。なかなか読みにくい部分もあり、読むのがしんどいのですが、まだ先は長い。2023/02/11
高等遊民
5
ついに南方作戦開始。マレー、フィリピン、蘭印の三本柱が主体らしい。作者はマレーの虎こと山下が大好きらしい。バターン死の行進をやっちゃった本間は勝ったのだけれどもマッカーサーにしてやられた。今村の話はまだ途中。同じ武器を持たせて同じ人数で戦えば日本軍の圧勝てのはビビる。このあたりで勝ちすぎてたんだから落としどころを何処にするのか考え始めないとまずい。そのへんも次巻で語られるかな。2020/09/06
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