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内容説明
春日の局、天海大僧正、柳生宗矩らの補佐役を次々と失った家光のまわりに、不穏な動きが生じていた。由井正雪を総軍師に、幕府転覆の大陰謀(慶安の乱)が、紀州頼宣をも抱きこみながら、着々と進められていたのだ。絢爛たる寛永時代を演出した三代将軍家光が、終焉に迎えた苦悩の完結篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
57
とうとう最終巻。祖父家康は73歳、父秀忠は54歳まで生きたのに、これほど早く亡くなるとは本人はもちろん誰も思っていなかったでしょう。三代将軍が短命に終わっても、幕府が揺らがなかったのはさすが。由井正雪についてはほとんど何も知らなかったので、新鮮な気持ちで読みました。この作品で書かれているように、世の安寧のために泥をかぶったのだとしたら悲しいですね。2017/08/23
k5
48
読み終えた。キャラクターの立った主要人物たちがみな退場し、由井正雪と丸橋忠弥だけではちょっと地味になってしまった観が拭えない最終巻。前半は面白かったけどなあ。。。2022/07/18
都人
4
三代将軍家光は、八代将軍吉宗とともに「名君」と言われているが、この本を読んだ限りでは、「名君」と言われた理由が分からない。戦時ではなく、平時(といっても天草の乱はあったが)の「名君」振りを描くのが難しいのかなあ。2019/12/20
tabby07
4
実母から疎まれながらも泰平の礎を築いた家光。作者の暖かい眼差しが随所にうかがわれます。将軍に精神的に陰にも陽にも影響を与えた由井正雪、柳生宗矩にも焦点を当て、彼らが決して部下を裏切らず一身に責めを負う姿勢を賛美して、対極の政治家が打算と出世欲でうまく渡り歩くのを暗に批判しているように感じました。打算で行動するのは本当にさもしいですね。2015/11/30
どらんかー
3
3代目としての苦悩にすり減っての48年、また、由井正雪も星になる。2022/10/19