内容説明
母なるナイル、永生の館ピラミッド、太陽の子ファラオ、エジプトは長く輝かしい歴史をもっている。ファラオや庶民は何を食べていたのだろう。視座を移すと、歴史が語り始める。「穀物の生産」を取り上げることでナイルの役割、暦、日々の労働が、パンをテーマに生活の技術史が、ビールとワインをテーマに死の儀礼と他界観が、供物となる食べ物から神々と人間の交渉史が、タマネギとレタスをテーマに健康観と生薬の体系が、華やかな饗宴から享楽と降伏感が語られる。ファラオの食卓は、エジプト文明を映す鏡である。
目次
ファラオの食卓
ナイルの恵みと人々
エジプト人はパン食い人
豊かな食卓
魚と禁忌
生薬の体系
エジプトの香り
生命の水・ビール
神々への贈り物
宴の日々