内容説明
古典と旅への誘い書下ろしエッセイ。古典の舞台を巡る新しい発見の旅。
目次
重盛を辿る―栄華の中の諸行無常
維盛を辿る―運命の大河のほとりで
重衡を辿る―乱世の救い
建礼門院を辿る―流転の王妃の見たもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
177
熊野から大原まで平家ゆかりの地を著者と歩いている気分になる。先日訃報に接したので、収録されている沢山の写真にしみじみとさせられた。《史料の上を這いずり回る》のが性に合うという著者の話は、歴史作家ならではのものの見方が随所に感じられ、興味が尽きない。平家物語は東国人の心を正しく描けていない、彼らは搾取されてきたのだ…という辺りは盲点を衝かれた。また重衡と法然の会見や、後白河による大原御幸の史実性を否定した上で、そのように創作/享受した人々の《滅びの中に救いはあるか》という問いを汲み取る読み方も参考になった。2023/02/26
Sosseki
1
小説かとおもったら、随筆でちょっとガッカリだったが、あらすじさえよく分かっておらず、楽しめた。清盛が、熱で苦しみつつ死んだのではないとか、平家側は、戦よりも日常生活優先だったとか、義経が船の漕手を射ったのは、当時のルール違反とか、なかなか面白かった。仏教思想が強く影響しているそうだ。2024/11/29