内容説明
本巻には明朝後期以後の63家79件の書蹟が収録されている。明代以後になると残されている書蹟も多く、流れも複雑で、それぞれ特徴を発揮しているから、一館の収蔵だけで代表的なもの全部を網羅することは難しいように思う。私のように日本で書を学んでいる者から見ると、未知の人や書が次々と出てきて、その豊富さに驚かされる。たとえ、ある館で二、三不足しても、他の館の収蔵品がこれを補うし、重要な書家の作は各館とも重複して特色あるものが示されているので、それを比較検討することができる。これは本『書蹟大観』の特色であろう。
-
- 和書
- 覘き小平次 角川文庫