出版社内容情報
水木 しげる[ミズキ シゲル]
著・文・その他
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いっくん
24
満州事変〜日中全面戦争まで。益々、混迷を深める時代。五族協和、日本が出しゃばって、そんな事掲げても、荒唐無稽な絵空事であるのは、わかっていた筈なのに。1936年(昭和11年)軍部ではニ・二六事件が起こり、同じ年に阿部定事件が有ったのか!昭和14年、ノモンハン事件、戦力が違い過ぎる。「人口とり」なんて、賢そうな遊び!ドーナツひとつの為に、徒歩で浜辺を往復40キロ!凄い、精神力!海岸線をテクテク歩くのは辛いよ。しげるさんは、社会に馴染めないで、右往左往している。2016/06/22
HIRO1970
18
⭐️⭐️⭐️図書館本。2015/05/05
ニッキー
14
昭和8年から昭和14年、昭和後半に生まれた者から見ると激動の暗い時代である。5・15事件、5・15事件と軍部のクーデターがあり、此処でも若い命が散る。中国、ソ連との戦争も悲惨な佳境へと入って行く。ロクな武器も無いまま。やはり、この戦争の歴史は詳しく知っておく必要がある。2018/09/05
とんかつラバー
12
日本が侵略戦争に突入するが、気に入らない相手を襲撃する右翼が今のテロリストと変わらない。水木氏は天皇に対してはむしろ好意的だが、天皇を持ち上げる連中に対して批判的。天皇家をディスる描き方をする手塚治虫とは対象的である。その辺は実際に兵役に出された者と内地にいた者の差なのか。いずれにせよ国力もないのに勇ましさでやりきろうとする愚の骨頂。爆弾の導火線の長さを誤ったから死んでしまった兵を英雄化するのとか、死んだ兵は哀れである。2023/12/21
三平
11
大陸への侵攻を進める日本軍部。 チチハルでの馬占山軍vs関東軍といった最新の戦況が当時の少年雑誌「少年倶楽部」に掲載され、少年たちは「うわあ、かっこいい」と大興奮してたとか。戦争情報が子供に与えるような一種の娯楽となっていたことに驚き。 高校の歴史教科書よりもしっかりと時代がどのようにして動いたかを書き込んでおり、著者の意気込みを感じるが、ちょっとひとつの巻に詰め込みすぎの感も。日本の行く末と同じく、しげるクンの学業・就職も迷走の様子。こりゃ泥沼化か。2019/08/15