内容説明
現代史のルーツを強烈な人物を通して描く今までにない歴史書。今世紀、国家と民族の歴史というものを意識した巨人が生まれた。五人の巨人と、五つの国家、民族には妙な因果的相関関係が発見できる。第一巻では、ワイマール共和国の成立と崩壊―。ヒトラー登場の背景を鋭く抉り、ユダヤ問題の本質に迫る。
目次
毒ガス
反ユダヤ革命
ドイツ労働党
若い世代
組織・SA・SS
国境の町
ユダヤ国際資本
ミュンヘン・プッチ
大敗北と牢獄
山荘と造反
女二人と大恐慌
ライン製鉄財界
暗転舞台
傀儡貴族
灰色将軍
闇取引き
炎の演出
四月バカと原爆
重い荷物
長いナイフの夜
ヒトラー関係年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
5
日本の被占領時代を扱った『戦後秘史』全10巻完結後、続編として講和以降の戦後史は“国際政治”抜きに語れない、そこで世界大戦から第二次大戦終了(ドイツ第三帝国崩壊)までの経緯を前提として人物史の形で記述していくこととした(全12巻)。本巻はヒトラー(ナチス=国家社会主義党)の権力掌握過程を描く。ヨーロッパ最高の文化水準を持っていたドイツが《侵略国》の汚名を着せられウィルソン大統領の「無賠償無併合」の約束は反古…。1934年レーム(私軍であるSA司令官)粛清、ヒンデンブルグ大統領死去、後任に「親授された」まで2016/01/27
May
2
いつ読んだかよくわからないけど、お小遣いをはたいて単行本を買ったことは覚えてます。980円也。当時のお小遣いは2000円もあったかなぁ。1980/04/01
じろう
1
ヒトラーナチス関係の積ん読本から読みやすそうなのを選んだ。意外と拾い物。小説仕立てで資料はどこからだよとツッコミを入れたくなるところもあるが面白く読めた。簡単な歴史は把握していたつもりだがレーム突撃隊の位置、粛清された理由などよくわかった。権力掌握頃までの評伝なので戦争突入後はない。よって大量殺戮を犯す以前なのでヒトラーに対する嫌悪感というのはわかなかった。2018/04/06