内容説明
学問の家の神童若江薫子は、紅白粉には見向きもしない学者に育ち、攘夷派の浪士たちと悲憤慷慨、新政府に建白書攻勢をかける。時代に逆行する情熱家は危険人物として幽閉され、晩年は失意のうちに放浪したが、その醜貌の下には、女ほんらいの、暖い心が隠されていた。幕末の女志士を描く傑作他8編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちか
2
年代的には、応仁の乱の前から維新後の明治までを扱った、短編集。小説風なものもあれば、史実を追って書かれているものもあり、興味深かった。2013/10/22
Melody_Nelson
1
小説だけでなく、史実の説明&所感を綴ったものがある。応仁の乱のキッカケとなった畠山氏の話から、江戸時代の話、幕末の過激な公家の女性・若江薫子(秋蘭)まで、幅広く扱っている。知らない人物もいて興味深い。畠山氏の話の最後や、細川ガラシャの様子などは、ああ、女性だからこう描けるんだなと思って、ちょっとニンマリ。2019/10/24