内容説明
幕末の長州に生まれ、先取の気性と果断な行動で尊王攘夷の志士となった高杉晋作の短かく激しい生涯は、まさに動乱の世を奔るものだった。その晋作のユニークな素顔を、松下村塾時代の師、仲間、奇兵隊結成でバックアップした豪商、あるいは愛人だった芸妓などの視点から鮮やかに描き出した、著者得意の領域の歴史小説集。
感想・レビュー
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さっと
9
前に読んだ高杉晋作の小説も古川薫(新潮文庫『高杉晋作-ある戦闘者の愛と死-』)だったな。本作は晋作と親交の深かった(?)5人の視点でその生涯を描いた連作短編集。攘夷志士としてなんかいろいろくすぶって煩悶していたころを松下村塾の客師・富永有隣と、英国公使館焼打ちの仲間の一人であった堀真五郎、晋作の名を広めた奇兵隊結成から功山寺挙兵までを勤王商人・白石正一郎と、初代内閣総理大臣・伊藤博文、晋作最後の大舞台・四境戦争を東行庵で尼となって晋作の菩提を弔う妾おうのに語らせている。なんにしても、早すぎた死だ。2015/02/10
出世八五郎
3
某歴史小説ガイドで紹介されてたので気張りヤフオクで落札。
ホームズ
2
高杉に関わった人たちの証言って設定で話が進む。なかなか良かったと思うけど、証言者がもっと他の人でもいいかな〜。2008/04/30
はじめ
0
高杉晋作と交流の深かった5人に話を聞くと言う形式の短編集。猪突猛進で、何を考えているか分からない人として書かれる事が多い高杉を、とても人間らしく書いているなと思った。そして意外と孤独だったのだなと。なんと言うか、仲間に入れてもらいたいのに、仲間に入れてもらえなくて、さみしいって言ってる子供の姿が浮かんだ。高杉が将軍暗殺を提案して、じゃあそれでいこうとなったけど結局誰も来なかったところとか、薩長同盟の話し合いの場に呼ばれなかったところとか特にそんな感じがした。きっと、対等な間柄の友人が欲しかったんだろうな。2026/01/21
くろこげ
0
高杉の周りにいた人間の回想録という形で「高杉晋作」像を浮かび上がらせている。毛利家恩顧の臣として自分の出自に対して誇りを持ち、プライドが高い一方で繊細で、なかなか上手く立ち回れずに周囲から孤立したり……苛烈な印象を持たれがちな彼を別側面から描こうとしていると感じた。本作の高杉は世間一般の英雄「高杉晋作」ではなく、先の見えない混沌の時代で足掻く一人の若者ではないだろうか。




