出版社内容情報
松本 清張[マツモト セイチョウ]
著・文・その他
内容説明
古代国家はいかにして成立したか。国家としての体制を整え、歴史を動かしていたのは誰か。虚飾にいろどられた聖徳太子と藤原鎌足、疑惑に満ちた17条憲法と大化改新。天皇家と豪族たちのあいだで続く確執と暗闘、「黒幕」として権力を握る影の支配者の姿を究明して、日本の国家黎明期を跡づける力作。
目次
1 壬申の乱前期
2 続・壬申の乱前期
3 豪族崩壊
4 存疑・大化改新
5 馬子の影
6 聖徳太子と鎌足
7 朝鮮のうごき
8 朝鮮と倭国
9 虎と詩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
27
市井の歴史家の手本のような感じです。ご自分の調べた資料に基づいて独自の推理を組み立てていくのは興味深いことです。聖徳太子のところなどは、黒幕を突き止めるべく様々な推理をされています。このようなところを読むと梅原猛先生の本も同じような感じであるなあと思いました。2014/12/04
おとん707
6
天皇の成立や豪族との密接な関係、さらに朝鮮半島との関係が考証、推理されている。日本書紀は、蘇我氏と対立した中臣鎌足を父に持つ藤原不比等が編纂に参加した結果、蘇我馬子を不当に蔑み聖徳太子の功績を不当に持ち上げていると清張は説く。実際は聖徳太子には力量も権限もなく書紀記載の功績のほとんどは絶対権力を持つ大臣で太子の舅でもある蘇我馬子のものだと。また天皇は扶余族由来とし蘇我氏も大陸由来と推理している。日本書紀は大陸との関係を都合よく脚色していると。学校で習ったのとはずいぶん違う。色々な説を読む必要がありそうだ。2022/03/27
讃壽鐵朗
2
どの巻も面白く読ませるが、学会的には殆ど無視されているのが現実であろう2013/12/11
ひで
1
大化の改新の実像、そこに至るまでの豪族のせめぎあいが面白かった❗2020/07/17
コノヒト
0
蘇我馬子や聖徳太子や中臣鎌足や中大兄皇子や顔の見える人物について書いてある箇所は具体的に感情移入して読むことができる。朝鮮のうごきについては私の知識不足ゆえイメージしづらいのだけれども、新羅の建国説話と日本の天孫降臨説話がよく似ているというのは面白い。2018/08/25
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