出版社内容情報
【内容紹介】
スーパーマーケットのあるべき姿はなにか、そしてそれを阻む者は誰か。石栄ストアに発生したスキャンダルをとおして、現職のスーパーマーケット専務である筆者が、さまざまな登場人物をとおして熱っぽく読者に問いかける。息もつかせぬストーリー展開で読者をたんのうさせる本格的企業小説の魅力!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiyu
7
やはり懐かしい雰囲気にはなる。正直、微妙に途中の主人公の考え方が腑に落ちないような気はしている。自分の価値観があますぎるのだろうが。一方で、ラストへと至る展開は無情だけでなく、複雑な感情が含まれていて、味があるように感じた。2019/05/28
ひつじ
7
昭和の香りがするまま終わったが、なかなか読み応えはあった。しかし、昭和の香りというのはなぜこうも青臭いのに爽やかなんだろう。ドロドロのかけらもなく、あっさりしすぎるくらい爽やかに終わりすぎて、現代の半澤派には物足りないかもしれないが、昭和50年代の作品として、時代の香りは十分感じた2017/08/16
よし
6
半世紀前の話とは思えない新鮮さ。商売の基本は変わらないということか。いやに業界に詳しいと思ったらサミットストアの専務でした。しかし作者の慧眼は凄い。巨大スーパーの将来はこの小説に書かれている姿に近い。2021/10/26
多分、器用です
6
期待してなかった。スーパーという業態の勉強のためと思って手に取ったのだけど、すげぇ~面白かった。ビジネス小説として粉飾やオーナー企業のいやな感じだとか。しかも、最期、買収されちゃうんだ。事業に興味がないオーナーを持つ社員の一人として共感できる部分が大変多い。2013/02/17
yamakujira
3
スーパーマーケットという業態が日本で広まった頃の物語。「金銭登録機」という言葉に「レジスター」というルビがふられていることからも、時代がわかると思う。今では古い小説だけれど、不正事件あり、粉飾決算あり、M&Aあり、夫婦の確執あり、同性愛あり、物語はおもしろくて、ついつい読みふけってしまった。ラストはとっても前向きなのに、思いが届かずに落魄していく人々を想像してしまった。 (★★★☆☆)2013/07/20
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- 和書
- 旅人の表現術 集英社文庫