出版社内容情報
【内容紹介】
名門女子高の校内でチンピラの他殺死体が発見された。しかも現場は密室だった!?お上品な平和にはあきあきしていた森カオルは勇躍、事件の渦中へ……名探偵伊集院大介とワトソン役カオルが邂逅し事件の謎をとく好評シリーズ第2弾。著者自らの高校生活が色濃く投影され女高生の心理が躍如と描かれた秀作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
51
〔再読〕「ぼくらの時代」の新装版を懐かしんだついでに、伊集院大介と森カオルのシリーズを読もうと決めました。ぼくら三部作が男性目線なのに対して、こちらは女子高生しかも女子校の、森カオル目線になっています。作者栗本薫氏自身の迷いや不安色々なものを、まだ試しながら描いている様に感じます。それだけに女性としての目線や感情に、男として照れくささを感じます。密室トリックは、さほど目立った仕掛けはなく、タイトルの優しいは何を指して要るのか、未だ分からないまま。情緒欠如や女性らしくない犯罪者など、現在に通じていると思う。2015/01/06
たか
34
名探偵伊集院大介とワトソン役の森カオルシリーズ。伊集院大介が教育実習生、森カオルが女子高生として初めて出会う青春ミステリとなっている。伊集院大介は数ある名探偵の中でも好きな探偵。安心感がある。B評価2017/12/01
はなん
26
再読回数不明本)ラスト。「書きつづけなさい、そうして、時を待ちなさい」伊集院大介の森カオルへの言葉。ここから始まるこの2人の物語、というか歴史。スタート地点を久しぶりに読み直した。そしてこの言葉を読むととても切なく暖かくゆるやかに笑顔になれる自分がいる。舞台は昭和の時代。昔の懐かしさを醸し出すのだけれども、でも。どこまでも引き込まれてやめられなくなるこの頃の「栗本薫ワールド」は心地よい。焼けて変色しているこの1冊をあと何回読むのだろう。伊集院大介のその後を思うとこの頃が一番かな?と余計なことをも考えた。2014/11/29
みみずく
21
森カオルが通う女子高に教育実習生としてやってきた伊集院大介。周りを見下したり、ある人を盲目的に崇拝したり…多感な時期にいる女子たちのいびつさがヒリヒリする。そんな彼女たちの身勝手で向こう見ずな行動を描いた作品だった。一端の探偵気取りで推理する小説家志望のカオルを見守る伊集院がやさしい。「自分を認められたい」「何者かになりたい」そんなふうにもがいている窮屈な自我の密室から、カオルは伊集院によって解き放たれたのだろうな。2015/03/08
なつ
15
導入部分はゆっくりだったけれど、その分、カオルの心中だったり、女子特有の嫌な感じが出ていて面白かった。ラストはハラハラしつつも無事解決でめでたしめでたし。 序盤に感じた嫌な女はやっぱり嫌な女だった。2017/05/11