出版社内容情報
近未来。少女・牧野葉月たちは閉じた世界の中、携帯端末(モニタ)という鎖に縛られて生きていた。そこは窮屈ではあるものの不純物のない安全な檻――のはずだった。が、その世界に突如現れた連続殺人犯。少女たちは、殺人犯とその背後に聳える巨大組織との対決を余儀なくされる。
驚愕の事件から数ヵ月。世間は一時、安定を取り戻したように見えた。
前回の事件の被害者として、この世界に漠然とした不安を抱えていた少女・来生律子のもとに、小瓶に入った謎の毒を持った作倉雛子が訪ねてくる。雛子は毒を律子に託し姿を消す。奇妙な毒の到来は、新たなる事件の前触れなのか……。
「突如凶暴化する児童たち」「未登録住民達の暴動」「奇怪な製薬会社」「繋がる過去と、現在の事件」すべての謎が明かされるとき、新たなる扉を開けた少女たちは何を想う!?
内容説明
少女達を襲ったおぞましい事件から3カ月が経った―。前回の事件の被害者・来生律子のもとを、謎の毒を持った作倉雛子が訪ねてくる。彼女は小壜を律子に託し姿を消す。未知なる毒の到来は、新たなる事件の前触れなのか!?突如凶暴化する児童達。未登録住民の暴動。忌まわしき過去の事件を巡る、妄執と狂気と陰謀。すべての謎が繋がるとき、少女達は新たなる扉を開く!戦慄の近未来ミステリ。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
昭和38年北海道生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
76
近未来を舞台に再び少女たちを襲う事件。驚愕の事件から数ヶ月、一時的に落ち着いたように見えた世界も、小壜に入った毒が持ち込まれてから、その均衡は崩れたようでした。閉じた世界で携帯端末に支配されながら生活する少女たちに新たな魔の手が伸びるのを見ずにはいられません。予感される事件、忌まわしい過去がめぐりあわせるように繋がって見せる妄執と狂気と陰謀。全ての謎が絡み合い、真実が明かされるときに開いた扉の行く先は、全てが加害者であり被害者であるという思い。無機質な中に熱いものを感じました。2016/04/29
F
36
近未来、少女たちを襲ったあの事件から3ヶ月。被害者の一人来生律子のもとに、同じく被害者の佐倉雛子が訪れる。雛子は「毒が入っている」という透明な小瓶を残し姿を消した。そして時を同じくして起こる、凶暴化した児童による傷害事件、爆破テロ、未登録民の暴動…。立て続けに起こる事件の背後に潜んでいるのは何なのか?――。『邪魅の雫』から脈々と継承されてきた狂気と妄執が産み出した悲劇とその総括。と、いった所でしょうか。京極ワールドおなじみの耽美なモチーフ満載でファンならかなりぐっと来るはず。前作から間を置かず読むのが吉。2011/11/12
藤月はな(灯れ松明の火)
34
(京極堂シリーズ好きの暴走感想、失礼します。ネタバレ感想はコメント欄に書きます)西洋妖怪シリーズの待望の第二作。ノベルス版で購入。あらすじから「毒はあの雫か?」と見事に勘違いしました^_^;しかし、中村、橡の友人の事件など前作で触れられた要因の原因が解明されていて唸ってしまいました。「魍魎の匣」の第二テーマや人を殺したにも関わらず、秩序を混乱させないように裁かれないことの苦しみ、コミュニケーションも根底にあります。ところで皆、鳥口君みたいに言い回しを間違え過ぎになってやしないかい(笑)2011/10/15
akira
22
ル=ガルー第2段。 今回もしっかりとSF。変な言い方かもしれないが、京極作品らしくない雰囲気。それでも、重厚な説明や会話などは流石。しっかりとその世界に誘われた。 律子のもとへ現れ、毒の入った小壜を託した雛子。あまりにも不思議な雛子本人の存在とその行動。何かに引き込まれるように、少女たちは事件に巻き込まれていく。 毒に纏わる人間たちの思惑。それは愛なのか。それとも…。望みを叶えようとするあまりに堕ちる狂気。愚かであるが故に、それもまた人間らしさか。 「お前が死ぬか、お前以外が死ぬか」2015/03/06
さっとる◎
22
近未来SFエンタテイメント第2弾♪やっぱり京極さん好きです、とても面白かった!舞台となる時代設定が変われどぶれない価値観(*^^*) それを大事にしながらも楽しめるSFならではの疾走感、最高です!美緒と律子のバイクシーンは目に浮かび手に汗握る!私も明日からまた頑張ろう(笑)2015/01/19
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