内容説明
臨床犯罪社会学者の火村英生は、友人の作家・有栖川有栖と休暇に出かける。だが、彼らがたどり着いたのは、目的地とは違う場所だった。鴉が群れ飛ぶ絶海の孤島、通称・烏島―。そこには、世間と隔絶された生活を送る作家、謎の医師、奇妙な起業家など、不可解な目的を持った人々が集まっていた。訝る火村たちの前で、殺人事件が発生する。事件の背後に隠された彼らの「秘密」とは何なのか!?「本格ミステリベスト10」堂々の第1位に輝いた傑作ミステリ。
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。在学中は同大推理小説研究会に所属。1989年に『月光ゲーム』で鮮烈なデビューを飾り、以降「新本格」ミステリムーブメントの最前線を走りつづけている。2003年に『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞を受賞し、2008年には『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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takaC
76
途中でこれは既読だぞと気付いて読後に前の感想を確認したら、 〜うーん、これをミステリと呼んでもいいのだろうか…〜 という内容だった。今回も同じことを思った。2016/07/23
のっぱらー
68
久々の火村シリーズ長編は孤島のクローズド・サークル物。火村曰く、「世にも奇妙な背景をもつ、極めてありふれた事件」。確かに事件の動機自体はなんてことはない(というか、偶然に偶然が重なっただけ)ではあるが、その背景は深い闇を秘めた、哀しみと異常性に溢れたものだった。しかし船頭の早とちりで誤って上陸してしまった島でこんな事件に巻き込まれてしまう火村と有栖って、とことんついてるんだか、ついてないんだか・・・(-_-;)2015/11/12
J7(読メ低浮上中)
34
火村&作家アリスコンビ長編。三重県の烏島で起こる殺人事件。ほんのアクシデントから、それに巻き込まれる羽目になった火村とアリス。事件の真相を追ううちに、あまりにも奇妙なその背景にたどり着いてー。他のシリーズと比べても異色の味わいがある長編作品です。火村が終盤に述べるように事件の真相は至ってシンプル。しかし、それを引き起こした烏島に集う人々の抱える秘密が、事件全体を数奇なものにしています。冒頭でアリスが“逢魔が時”に関する思い出を述べていますが、正にその言葉が本作を象徴するような言葉だったんだと理解しました。2015/12/29
眠る山猫屋
21
再読。そういや、テレビドラマが放送中なんですね。今作は絶海の孤島が舞台。あこがれますね~。派手さはないですが、ロマンチックな一作です。こんな幸せの願い方もあるのかなぁ・・・。2016/02/23
igaiga
19
祝!ドラマ化ということで再読。本格モノ久しぶりだな~と面白く読みましたが、「犯人はあなたじゃないんだよねー」となぜか犯人に納得いきませんでした。火村ってこんなに熱い人だったっけ?と思ったのでまた違う本を読もう。2015/11/02
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