内容説明
金敷署の厄介者が集まる、生活保安課防犯係特殊相談対策室。通称“駄目な方のトクソウ”を訪れるのは、自称霊能力者や呪われた青年、宇宙人を警戒する男など、奇妙な人々ばかり。否応なく怪事件に巻き込まれるトクソウのメンバーは、一人、また一人と、狂気の渦にさらわれていく。町に蔓延る害意が導くのは、陰惨な殺人劇の町興しか!?災禍の箱庭の中、無自覚の悪意は感染を始める…。
著者等紹介
牧野修[マキノオサム]
1958年大阪府生まれ。『王の眠る丘』で第1回ハイ!ノヴェル大賞を受賞しデビュー。『傀儡后』で第23回日本SF大賞を受賞。SF、ホラー、ミステリなど多岐にわたる分野で多くの作品を発表し続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miroku
17
軌道修正を繰り返し、トンデモは超トンデモへ!!2019/11/20
眠る山猫屋
9
ちょっとジャンルを特定しにくいかな…内容はかなり面白かった。牧野作品ということの想定をある程度引っくり返され、意外と正当なサスペンス・ホラー。メインキャラクターよりゲストの新人警官たちの方が鮮烈な印象を残す“太陽に吠えろ”形式。皆さん序盤は変人奇人ばかりで鼻につく感じなのが、後半には感情移入してしまう。犯罪者を産み出す理論に幻惑されたのは、被害者たちか加害者たちだったのか。そして犯人は単に理論の実践者に過ぎなかったのか。なんだろうこのモヤモヤは。次巻に続くのかぁ。2013/02/03
zazo嶋
5
初読の牧野作品。全2巻で発売されていたからある程度分かってはいましたがこちらはどうやら壮大な前振りの巻のようですね。でも初めて読む牧野作品、思った以上に面白く読めました。ミステリや警察小説だと思って読むとアレですがホラーっぽいエンタメ系の作品として読めば色んな事が気にならないくらいイケます。一つの悪意のある実験により誘発される犯罪...以前に五條瑛さんの作品で似た様なプロットの作品を読んだ記憶がありますが、どちらも面白く、こういった立証しにくい犯罪者(と呼べるの?)の異常なまでの狡猾さが突き抜けていっれば2010/11/30
chisa
3
はじめはありきたりな警察小説だと思ったけど、第1話を読んで「そう来るのか…!」とびっくりしました。2話以降続く「事件」と少しずつ見え隠れする黒幕にドキドキしながらも一息に読んでしまいました。環境が影響する、というのがなんか現実にありそうで怖い。最終的に一応事件の解決は迎えたけれど、失ったものも多くてなんだか後味が悪い(でも多分そこがいいところ)。次巻でどう展開するのかが楽しみ。2011/02/06
atota
3
初めて牧野さんの作品を読んだのですが、第一章で驚かされました。こういうタイプの物語だったのかと。 はやく二巻を読みたいです。2011/01/17