内容説明
連続乳児誘拐事件に震撼する岡山市内で、コインランドリー管理の仕事をしながら、無為な日々を消化する北原結平・19歳。自らが犯した過去の“罪”に囚われ続け、後悔に塗れていた。だが、深夜のコンビニで出会ったセーラー服の少女・蒼以によって、孤独な日常が一変する。正体不明のシリアルキラー“ウサガワ”の出現。過去の出来事のフラッシュバック。暴走する感情。溢れ出す抑圧。一連の事件の奥に潜む更なる闇。結平も蒼以もあなたも、もう後戻りはできない!!第34回メフィスト賞受賞!子供たちのダークサイドを抉る青春ノワールの進化型デビュー。
著者等紹介
岡崎隼人[オカザキハヤト]
1985年12月22日生まれ。岡山県在住。『少女は踊る暗い腹の中踊る』で第34回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オフィーリア
59
倫理観もブレーキもぶっ壊れた青春×ノワール。登場人物は皆狂ってる。その狂人立ちの情念が凄惨な事件を呼び、巻き込まれた人間達もまた狂っていく。周りの全てを巻き込み突き進む狂人たちの狂気と幻想の果てには不思議と爽快な読後感。すっごい作品でした。2024/04/10
雪紫
46
2作目を前に再読。「凄惨だけど、爽やかです(帯より)」・・・まあ、間違っちゃいない(目をそらしながら)。テンポ良く、次々と死んでいく。数々の事件のせいで当事者が狂っていく。え、こんなに死んでるし、狂いまくってたの・・・?ああ、もうぶっ飛んでる。被害者遺族、救われない・・・。表紙ぴったり・・・あれ、わたし初読被害者遺族が救われない以外にどんな感情抱いてたっけ・・・?2024/10/15
しろ
13
☆5 狂っている。誰も彼も狂っている。一般市民の声や描写がほとんどなくて主人公とその周りしかないので、主人公のうちに渦巻く静かな狂気を感じる。しかし、読み進めていくほどに思うのだ。彼らは一人も狂ってなんかいないのではないかと。行動はひどく暴力的で不条理なのだが、心の動きは普通のそれと変わらないように感じた。勢いだけで、一気に読ませるが、意外と文章は好き。荒削りだが、その淡々とした文章には幻想的な面も感じた。どこにも救いはないけど、救われないからこそ、這いながらも生きていけるのかもしれない。2011/01/15
CCC
12
登場人物がなにをしだすかわからないところが面白い作品だった。主人公は倫理観がないわけではないが、衝動性が強くかつ視野狭窄でブレーキが壊れている感じ。脇を固めるキャラも狂ったキャラばかり。そして揃いも揃って過去にとらわれている。閉塞感があった。事件性が強い話なのに世の中を置き去りにしてメイン登場人物だけで話が進んでいくのも、その印象を強くしている。ただ書いている内容のわりに文章に圧はないので、あとに引きずるような重さは良くも悪くもないかもしれない。2022/11/06
じゅんぢ
12
題名に引かれて読んだけどここまで登場人物のほとんどが狂っている小説も珍しいと思う。2017/03/18
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