内容説明
17世紀、北方からの韃靼族・清帝国の前に、首都北京を追われ、滅亡に瀕する明王朝。鄭成功の「抗清復明」に応え、三代将軍・家光は、明出兵を決意する。島原の乱より十年、野に満つ牢人二万人を集め、陣頭に立つは、御三家の若き公子・徳川光国。柳生十兵衛と由比正雪を従え、いま動乱の黄土の地へ出帆する。
感想・レビュー
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saladin
3
鄭成功の”日本乞師”に、江戸幕府が本当に応じていたとしたら…という歴史改変SF。巷に溢れていた牢人たちを送り込むなど、なかなか面白い設定。登場人物として徳川光圀や柳生十兵衛、由比正雪なんかも出てくるし、そのほかのディテールも細かく描かれている。ただ、そうした”考証”に重きを置き過ぎている嫌いがあるようで、あまり登場人物たちが魅力的に見えない。とはいえ、この時代に興味があるならば、一読に値するとは思う。2019/10/01
二分五厘
0
1995.6.14
黒蜜
0
昔読んだ本シリーズ。 原案が田中芳樹でね…。遅筆な作家が特に本を出さなくなった時期で、飲み会のネタで行ったことを編集者が新人作家にもっていって書かせたって印象がぬぐえない。確かに田中芳樹らしいダイナミックな人物配置で興味をそそられるんだけど、それを生かしきれない感じ。飲み会のネタだからそうそううまくいくわけでないんだよ。2023/08/08